タイトル

加齢による身体変化と支援の在り方~特養移行への取り組み~

【ご利用者情報】

60歳代 男性

手帳:精神保健福祉手帳、身体障害者手帳3級

要介護度:要介護3

疾病:統合失調症、体幹機能障害(ポリオ・脳性麻痺)、他

 

【生活歴】

1歳の時にポリオに罹患し、脳性麻痺による体幹機能障害を抱えることとなりました。学校卒業後は父親が経営する会社を手伝うなどして過ごしていました。精神症状が出現し統合失調症と診断されましたが長年、母親の支えにより在宅生活を継続されてきました。

 

【入所に至る経緯】

その後、ご両親が他界されるなどで単身生活の維持が難しくなったことから、平成19年に当施設(フローラ)へ入所となりました。

入所から数年経った頃に、大腿骨骨折や肺結核の発症により入院継続となり一度フローラを退所されましたが、ご本人・ご家族、そして実施機関の強い意向を受け、調整の結果、再度フローラへ入所する運びとなりました。

 

【支援過程】

再入所後のご本人は、生産活動に取り組んだり様々な行事に参加したり、趣味の読書をするなど、施設生活を楽しみながら続けておられました。

しかし、誤嚥性肺炎などによる入院が重なったことを機に、日常生活の中で介助を要する場面が徐々に増えていきました。退院毎に下肢筋力の低下が目立ち、立ち上がりの際は腕の力のみで身体を支えるなど、日常生活での負担が著しく増大している状況でした。年齢的な事も考慮にいれ、将来的な身体機能の低下も見越して要介護認定の申請を行いました。その結果、要介護3の認定を受けました。

ご本人は当初、環境が変化する事に対して消極的な様子も見せておられましたが、現在の身体機能に合った環境で安全に過ごしていただくことを最優先に考え、ご本人の意思を確認して特別養護老人ホームへの施設移行を進めることとなりました。

 

【感想】

住み慣れたフローラを離れることに対し、ご本人にとって非常に大きな負担であり、抱く不安や戸惑いは計り知れないものがあったと思います。

しかし一方で、身体の状態が変化し、通過施設である当施設では適切な支援を継続していくことが難しくなっている現実もありました。ご本人のこれからの生活を最優先に考え、少しでもより充実した設備環境で新しい生活に慣れていただく必要があると考え、施設移行を進めることとなりました。

今回の経験は、ご本人の不安な気持ちに寄り添うことと、将来の生活を見据えた現実的な支援をどう両立させていくかなど、利用者支援のあり方を改めて深く考えさせられる機会となりました。この経験を活かして、これからも一人ひとりの心に寄り添った支援に努めてまいります。